何度時間を戻しても婚約破棄を言い渡す婚約者の愛を諦めて最後に時間を戻したら、何故か溺愛されました
「お姉様!」

馬車からしばらく離れたところで、リアーナは休んでいた。

「もう大丈夫ですの?」

「ええ、心配をかけて申し訳ないわ」

「殿下は・・・ロイド殿下とは、何を話したんですか・・・?」

リアーナが俯きながら、そう小さな声で問うた。

「大したことじゃないの。慰めて下さっただけ。・・・さぁ、もう帰りましょう?」

私は、我が家の馬車に向かって歩き出した。

リアーナは俯いたまま、何かを呟いた。


「ロイド殿下は、「聖女」の私よりお姉様がいいの・・・?お姉様、泣いて気を引くのはずるいですわ・・・」


「リアーナ?なにか言った?」

「いいえ、なんでもないですわ」

リアーナは、私の手を引いて馬車に走り出した。
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