何度時間を戻しても婚約破棄を言い渡す婚約者の愛を諦めて最後に時間を戻したら、何故か溺愛されました
「ねぇティアナ嬢。何度フィオール家を訪ねても、私の相手をするのはリアーナ嬢ばかりだ。私が帰りにティアナ嬢に会いに行かなければ、君は私に会わないままだろう。そろそろ、君の本心を聞かせて欲しい。・・・・何故、君は私を避ける?」

「それは・・・」

「前は、君の涙の理由を無理には聞かなかった。しかし、私はもうあの時よりティアナ嬢に興味を持ってしまった。どうか、君の秘密を教えて欲しい。そして、共に悩ませてくれ」

ロイド様の言葉に優しさが込められていることも、私に寄り添おうとしてくれていることも分かっている。

しかし、私の秘密は明かせない。

どう答えればいいのかが分からない。

「ティアナ嬢、私はそんなに頼りないかい?」

「違います・・・!ロイド様が頼りないなんてあり得ません!・・・しかし、これは私の問題なのです」


「ティアナ嬢、君はたまに私を見ているようで、他の誰かを見ている気がするんだ。自分でも意味が分からないことを言っていることは分かっている。しかし、そんな気がしてならないんだ」

「ティアナ嬢、一つ私の願いを聞いて欲しい」


ロイド殿下は私の前で膝をついた。

王族が膝をつくなど、普通ではあり得ないことである。
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