何度時間を戻しても婚約破棄を言い渡す婚約者の愛を諦めて最後に時間を戻したら、何故か溺愛されました
14歳、ロイドとの婚約
「ティアナ、よくやった」
14歳の誕生日、王家からの婚約の申し込みにお父様はそう仰った。
誕生日を祝う言葉は、一つも述べずに。
それからのお父様は、今まで人生と同じく急に私に優しくなっていかれた。
ああ、私はまた同じ道を辿るの?
リアーナも、私とロイド様が客間で会話した日から私にあまり笑顔を向けなくなった。
ロイド様はあの日の客間での約束を守るかのように、私と距離を縮めようと、何度も私に会いにいらした。
しかし、婚約を持ちかけられてもはっきりと断った。
それでも、結局前回の人生と同じ14歳に正式に婚約を申し込まれた。
ロイド様ではなく、王家としての決定である。
王家からの正式な申し込むを断ることなど出来ない。
ましてや、もうお父様の耳に入ってしまっている。
当主であるお父様の判断に、私は従うことしか出来ない。