何度時間を戻しても婚約破棄を言い渡す婚約者の愛を諦めて最後に時間を戻したら、何故か溺愛されました
学園への入学
学園に入学する当日。

私は馬車で学園に向かっていた。

「ティアナお嬢様」

「どうしたの?ネルラ」

学園では寮での生活になる。

そのため学園の中には入れないが、寮では侍女を一人まで連れてきて良いことになっている。

その侍女にネルラは名乗り出てくれたのだ。

「最近、リアーナ様はティアナ様を敵視しているように感じます。お父上にご相談されなくてもよろしいのですか?」

「お父様は私達姉妹の仲を気になどしていないわ」

「・・・ティアナ様、私はいつでもティアナ様の味方ですわ」

ネルラはそう述べて、私の手をぎゅっと握ってくれた。

「学園では、私はロイド様の婚約者として見定められる。色々とネルラには苦労をかけるかもしれないわ」

「そんなことを気にしないで下さいませ。私はティアナ様の侍女ですよ?」

「ありがとう、ネルラ」

私はネルラの手を優しく握り返した。

学園の門を潜《くぐ》った私は寮の荷物の整理をネルラに頼み、入学式の会場へ向かった。
< 58 / 115 >

この作品をシェア

pagetop