何度時間を戻しても婚約破棄を言い渡す婚約者の愛を諦めて最後に時間を戻したら、何故か溺愛されました
入学式が終わり、私は自室に戻った。

「ティアナ様、入学式はどうでしたか?リアーナ様には会えましたでしょうか?」

ネルラがそう聞きながらも、私を心配していることが分かった。

ネルラは、リアーナがまだ私を敵視していることに気づいている。

「ええ、リアーナは新入生代表の挨拶を任されていたわ」

「そうですか・・・」

ネルラが不安が滲《にじ》んだ顔で私を見ている。

「大丈夫よ、ネルラ。心配しないで」

「しかし・・・!」

「リアーナが悪い子じゃないことはネルラもよく知っているでしょう?」

「そうですが・・・」

その時、寮のドアがコンコンとノックされる。


「お姉様、リアーナですわ。入ってもよろしいですか?」


私はネルラと目を合わせて「大丈夫」と微笑んだ後、扉を開けた。
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