腹黒王子の甘い寵愛。
でも……朔くんといても、いいのかな……?

私は、朔くんの隣に相応しい人なのかな……?


そんな考えがぐるぐる頭を巡って、目が回りそうになる。


朔くんと目があって、たまらない気持ちが余計に増えてしまった。


これが……恋?


風が吹く。髪がサラサラと揺れる中、私は一度ゆっくり瞬きをした。


きっと——これは、恋だ。


「……桐谷くん、ごめんなさい……私、朔くんのことが……」

「っ……」

「好きかも、しれない……」


それだけ伝えると、桐谷くんは去って行ってしまった。

止めることもできずに、また朔くんと2人きりになる。


「る、な……?」

「本当、だよ」


ああ私、とっても勇気のあることを言おうとしてるのに……緊張も、止まらないのに……。


この気持ちを伝えたくて、仕方がないの。


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