腹黒王子の甘い寵愛。
「なんだか柔らかくなったね、表情とか」

「そうかな。多分桜井さんのおかげ」

「ふふっ、それは嬉しい」


……可愛い。

なんで口元覆いながら笑うの?わざとじゃないんでしょ、君のことなんだから……。

すごい可愛い……。


「今日はいつまでいる?」

「桜井さんが帰るまで」

「珍しいね」


またにこにことして……勘違いされてもおかしくないのに。


「無理しなくていいよ?」

「無理なんてしてないよ」

「そっか。ならいいんだけど……。最近、なんだか距離近くない?」

「そうかな」


確かにじわじわと距離は詰めていくようにしているが……。

距離感というものは掴めないな。


何せ心を許せる女は桜井さんが初めてなんだから。


「ふふっ、まぁ警戒心がなくなってくれたみたいで私は嬉しいけどっ」

「そっか、ならよかった」

「ねぇねぇ東峰くん」

「ん?」


ねぇねぇって……可愛いにも上限があるだろ。


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