極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
端正な顔が近づいてきて、にらめっこみたいになってしまった。
一歩、二歩とあとずさるうちに、いつの間にか背後は壁で追い詰められてしまう。
「約束したよね? 俺を頼ってって」
ずずい、と真っ直ぐな眼差しが迫ってくる。
一日に二回も壁に押し付けられるなんて、今日はいったいどうなっているのかしら。
しかも、そんなに鋭い目で私を見つめて。うう……降参です。
思わず目を逸らし、思いっきり頭を下げた。
「お気遣い、ありがとうございます! それでは失礼いたします」
そう早口でまくしたて、その場から逃げ出す。
「あっ、美守さん――」
彼の制止を振り切り、会議室を飛び出した。
廊下を早足で歩きながら、私はなにをしているのかしらと混乱しながら自問自答する。
正直に言おう。祇堂さんのあの実直な目が苦手である。心の奥底を見透かされているようで怖くなる。
私は仕事が好きだ。入社以来、会社のために誠心誠意尽くしてきたという自負がある。
だがひとつだけ、どうしても会社には明かせない事情があって……。
一歩、二歩とあとずさるうちに、いつの間にか背後は壁で追い詰められてしまう。
「約束したよね? 俺を頼ってって」
ずずい、と真っ直ぐな眼差しが迫ってくる。
一日に二回も壁に押し付けられるなんて、今日はいったいどうなっているのかしら。
しかも、そんなに鋭い目で私を見つめて。うう……降参です。
思わず目を逸らし、思いっきり頭を下げた。
「お気遣い、ありがとうございます! それでは失礼いたします」
そう早口でまくしたて、その場から逃げ出す。
「あっ、美守さん――」
彼の制止を振り切り、会議室を飛び出した。
廊下を早足で歩きながら、私はなにをしているのかしらと混乱しながら自問自答する。
正直に言おう。祇堂さんのあの実直な目が苦手である。心の奥底を見透かされているようで怖くなる。
私は仕事が好きだ。入社以来、会社のために誠心誠意尽くしてきたという自負がある。
だがひとつだけ、どうしても会社には明かせない事情があって……。