極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
エピローグ 君の願いは俺が全部叶えてあげる
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不思議な夢を見ることがある。

幼い彼が私の手を引いて歩いている夢。

病院の中庭でシロツメクサを摘んだり、屋上に忍び込んでふたりで星を眺めたり。

その夢はだいたい悲しい終わり方をする。

泣いている私を置いて、彼がどこかへ消えてしまうのだ。

――置いていかないで――

そうやって泣いているうちに目が覚める。

真夜中、私の頬は涙で濡れていて、隣には安らかに眠る彼がいる。

ああ、夢だったんだ。そう安堵して彼の腕にしがみつく。

大丈夫。彼はいなくならない。ずっと私の隣にいてくれる。

そんな夜を何度か繰り返すうちに、甘酸っぱくてもの悲しい夢は見なくなっていった。



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『あなた、いったいいつ戻ってくるのよ』

パソコンを使ったリモート会議。桃野さんの美しくも威圧感のある顔が全画面表示され、私は思わずピン留めを外し、画面を小さくしてしまった。

それでも苛立った声はスピーカーからびしびしと響いてくる。

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