極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
白い薄手のブラウスの上に、グレージュのノンスリーブワンピを合わせた。

貴重品はカーキの斜めがけバッグに。着替えなどはブラウンのボストンバッグに詰めて、今は後部座席に置かれている。

ふと彼が深刻な顔で考え込む。

「……『服装がかわいい』もセクハラにあたるのか?」

「あの、社長。旅行中は、セクハラはナシにしましょう。私は別に、社長になにを言われても気を悪くしません」

コンプライアンスとは言うけれど、私は別に服装を褒められたからって嫌な気分にはならない。むしろ彼に褒められれば単純に嬉しい。

「じゃあ君も。社長はナシで」

そう言って助手席のドアを開けてくれる。私は「わかりました」とシートに座った。

「……服、なんだか色が被っちゃってすみません」

私のブラウスとワンピの色使いが、彼のジャケットとインナーの組み合わせと同じ。恥ずかしいと思われていないといいのだけれど。

「リンクコーデみたいでいいんじゃないか?」

運転席に回り込みながら彼が言う。

「兄妹みたいに見えますかね」

「そこは恋人同士だろう」

祇堂さんがちょっとムッとした様子で、口を尖らせた。

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