絶交ゲーム
☆☆☆

どうしてバレたんだろう。
いや、私がやったとはバレてないはずだ。

筆跡だって弥生に寄せて書いた。
それなのにどうして結は私を睨みつけたんだろう。

いや、あのとき結は教室全体を睨みつけていた。
きっと、犯人を威嚇するためだ。

別に私を睨んだわけじゃない……。
私はゆるゆると息を吐き出して机に突っ伏した。

とにかく、今回も失敗だったんだ。
結は頑ななまでに弥生のことを信用している。

どうやってふたりの関係をこじれさせればいいのか、もうわからなかった。


「雛、大丈夫?」


詩子の声で顔を上げるけれど、気分は優れなかった。
こんなにもうまく行かないなんて思っていなかった。


「50万ポイントだもん。もう少し頑張ろうよ」


そう言われても、もうどうすればいいかわからない。
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