絶交ゲーム
☆☆☆

次の日に登校すると玲香の机が廊下に出されていた。
それだけならまだしも、机は横倒しにされてノートや教科書が散乱している。

それらを洋子が踏みつけて笑っていた。


「だんだんエスカレートしてるね」

「洋子もストレスがあったんじゃない？」


詩子が心配そうに言うので、私は適当に返事をしておいた、
今日は浩二と豊のことで頭がいっぱいで、それ以外のことを考える余裕は私には残っていなかった。

A組の教室に入ると弥生が結の椅子を蹴り飛ばしていた。
椅子に座っていた結が驚いて飛び上がり、それを見た数人の生徒が大げさな笑い声を上げる。

結はなにかを言い返すこともなく、サッと青ざめると逃げるように教室を出ていってしまった。
クラス内で孤立した生徒はたまらず逃げ出してしまうしかないんだろうか。


「ねぇ、ちょっとかわいそうじゃない？」


詩子が耳打ちをしてくるので、私は肩をすくめてみせた。
< 158 / 290 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop