絶交ゲーム
「それは、そうだけど……」

「思えば最初からそうだったよね。詩子はそこまで手を汚さずに私ばっかり行動して、それで私のポイントで豪遊してた!」


詩子の表情が変わる。
今のは詩子が一番気にしていたことだ。
だけど、私はもう止まらなかった。


「それなのに自分が嫌になったらやめるってなに? 信じられないんだけど!」

「ごめん雛。でも、もう私には無理」

「無理ってなに!? それでなにもなもチャラになるとでも思ってる? 私がどれだけのことをしてきたと思ってるの!?」


ヒートアップして、止まらない。
クラスメートたちが見ているのに、止まれない。

詩子が目の前で泣き始めた。
肩を震わせるその姿にクラスメートの同情が向かうのがわかる。

なんで?
なんで詩子が可愛そうな立場にいるの?


「雛ごめん。もう私は雛の友だちではいられない」


詩子は震える声でそう言うと、教室から飛び出していったのだった。
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