絶交ゲーム
悪化させる
「で、次はどうする?」


詩子に聞かれて私は一瞬なんのことだろうかと考えた。
そしてすぐに洋子と玲香のことだと思い至る。


「どうするって? まだなにかするってこと?」

「だって、絶交ゲームなのに絶交してないじゃん」


確かにそうだけれど、他にどういうことをすればいいだろうか。
洋子と玲香はまだ険悪ムードで、互いに口を聞いていない時間が増えている。

ちょっと話をすればすぐにバレてしまう嘘だけれど、その心配はなさそうだ。


「あ、玲香が教室から出ていくよ」


詩子に言われて視線を向けると玲香が他の友人らと教室を出ていく所だった。
トイレか、購買にでも行くんだろう。

ふと気がつけば洋子もいなくなっている。
私と詩子は目を見交わせた。

ふたりともいなくなった教室内は、チャンスなんじゃないだろうか。
咄嗟に詩子と視線を見交わせる。
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