絶交ゲーム
☆☆☆

ワクワクとした楽しい気持ちで教室へ入ると、途端に重たい空気を肌に感じた。
見ると玲香と洋子が相変わらず不機嫌そうな顔で睨み合っている。

それぞれの友人らも巻き込んで、やったやらない論争をしているのだ。
そのため教室内の空気はとても悪い。

私は顔をしかめてその様子を見つめた。
自分たちのせいでこうなったとはいえ、元々玲香と洋子の関係が悪くなければここまでのことにはならなかったはずだ。

ゲームはもう成功したし、できれば普段どおりにしておいてほしいけれど、それを口に出すことはできない。


「玲香ちゃんは可愛いから、それで嫉妬したんだよ」


男子生徒が玲香の肩を持ってあからさまに鼻の下を伸ばしている。
今まで玲香に近づきたくても近づけなかった男子たちが、ここぞとばかりに気に入られようと行動しはじめたみたいだ。

玲香はそんな男子生徒たちを何人もはべらかして、洋子を見下げる。


「私に人気があるのは私のせいじゃないのに、嫉妬するなんて醜いよね」


「俺もそう思う! 玲香ちゃんは元々魅力的だから、女からは嫌われやすいんだよなぁ。でも大丈夫、俺がずっと一緒にいるから!」
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