絶交ゲーム
連鎖してゆく
「昨日は遊んで帰ったらしいな」


翌朝、朝ごはんの席で父親が言った。
私はその言葉で一気に食欲をなくしてしまう。


母親へ視線を向けうと、「ごめんね」と口パクで謝罪された。
いいよ。
どうせ父親がしつこく質問したんだろう。

母親はそれに抗えなかっただけだ。
その光景は簡単に想像することができた。


「うん。少しだけね」

「その少しで成績を追い抜かれるんだぞ」


父親の声が荒くなる。


「わかってるよ」

「そうよ。雛は毎日ちゃんと勉強してます。昨日だって詩子ちゃんとふたりで勉強して帰ってきたのよ」


母親の擁護を聞いても父親の態度は変わらない。
まるでこっちが悪者みたいに威圧的に睨みつけられる。
< 51 / 290 >

この作品をシェア

pagetop