絶交ゲーム
詩子も思いだしながらクラスメートの名前を口にする。
みんないつも一緒にいる2人組だ。


「この中の誰かを絶交させるってこと? それでポイントがもらえるってこと?」


私は首を傾げてしまう。
誰かを絶交させることでポイントが入るというのがよくわからない。

善良な行いでもないし、ポイ活みたいになにかを頑張るわけでもない。


「そういうことなんだろうね。試しにやってみる?」

「試しにって……」


渋っていると突然スマホが鳴り始めた。
休憩時間の15分が終わったのだ。

これからまだ勉強を再開させないといけないけれど、アプリのことが気になってそんな気分にはなれなかった。


「まぁ、少しだけならいいかな」


アラーム音が鳴ったことで私の中でなにかが吹っ切れる音がした。
これはただのゲームなんだ。
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