darkness
第1章

活きろ



痛いほどに空は晴れていた。



いっそ雨でも降ってくれていた方が涙を流しやすかったかもしれないのに。少しは私の心も楽になったかもしれないのに。






「あさ美!大丈夫だ!!お前は一人じゃない!!
大丈夫…ほら、早く俺の手握れ!」






死ぬな



そんなバカなことするな







そのとき私には、そんな彼の言葉も全く耳に入らず



私はまるで死ぬことを恐れていないかのように軽く地面に力を踏み込んで





屋上から飛びおりた。





だって私は

死ぬことよりも生きることの方がよっぽどバカなことだと思っていたから。




空中を落ちていくという感覚は不思議なものだった。





景色を記憶するのはなんだか嫌だったので


私は地に着くまでに瞳を閉じた。






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