darkness



それから季節は流れるように、暑さは消え秋を迎えた。
少し肌寒い風が吹く10月ももうすぐ終わりを迎えようとしている。





あれから佳代、千春、ユキ、ナギサの4人とは

特別親しいわけでも、離れてるわけでもない間隔で接していた。


前のようにイジメられることはもうなくなったし、

孤独なわけではないけど一人で行動する一日一日は案外楽しかった。


昼休み陸とお弁当を食べたり

放課後に図書室でくつろいだり



周りに何も支配されずに生活できている気がした。




絵里は自分の否を認めたくないと言った余裕の表情で相変わらず一人だった。



今の私とは違う種類の“一人”

強がっていても

絵里が一人になることなんて今まで経験のなかったことだろう。



ずっと孤独だった私にはわかる。絵里は寂しいはずだ。






裕平くんとは順調なのだろうか。



去年の今ごろは裕平くんに勉強を教えてもらっていたなぁ、なんて



ある日の帰り道を思い出しながら家路についた。




< 164 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop