darkness
第2章

停まる



小学校を卒業した私はイジメから解放された気持ちでいっぱいだった。


絵里は私立の中学に受験したため、同じ中学にはいない。





だけど、中学生になっても私はちっとも変わっていなかった。





小学校での

入学からの3年間、誰かと関わることがうまくできなかった私。
卒業までの3年間、期待はずれのような転落でイジメを受けていた私。




中学生になったからといって、

絵里がいないからといって、

私が私らしくいられる明るい場所なんてどこにもない。


居場所を与えられることも

自分で作り出すこともできないまま




たちまち人間不信になった。





中学に入学してからも、やっぱり私は一人だった。


このままただ卒業を待ちわびながら過ごすんだと思うと気が遠くなった。






ある日、廊下で聞こえた誰かの小声。



「あの子、小学校の時から嫌われ者だったらしいよ。」

「知ってる!家が貧乏だから、人の物盗むんだって。」




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