darkness

交わる



一週間後、

絵里は高校を辞めた。


担任からの知らせにクラス中が騒めき、ユキや千春たちは絵里のことを
「散々偉そうにしていて一人になった途端に負け犬ね。」
なんて話していたけれど、

私には分かっていた。
それは逃げではない。


絵里は初めて親の地位や外見だけで自分に自信を持つことを捨て

自ら別の道を選んだんだ。




絵里の机にまだ荷物が残っていることから放課後にでも絵里が取りに来るかもしれないと考えた私は



終礼が終わった後も、席についたまま待っていた。














――ガラガラ。









予想的中。





「……………あさ美…!」




絵里は誰もいないと思い入った放課後の教室に私がいたことに驚いていた。



『…くると思った。…荷物取りに来たんでしょ?』








私の人生の

最大の敵は頷いた。




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