darkness

過ぎる



時間はあっという間に過ぎていく。






新年を迎え、新学期が始まった。

卒業式と入試を間近に控えた私は

母が亡くなってからのこの半年でかなり印象が変わったと思う。





なにかと俯くことが少なくなった。



あれほど悲しみを味わった私に訪れた裕平くんとの出会い。

居場所。仲間。






ガラリと変わった毎日を過ごす中で、私が感じること。


“ここだ。”




今あるこの場所が

裕平くんや

かんな、弥生、


綾子おばさん、陸



この人たちと関わる場所こそが、

私の居場所なんだ、と。






寒い1月の帰り道



今日はかんなと弥生を誘って、

おばさんの喫茶店へ向かっていた。
あの場所で3人で勉強をするつもり。




おばさんと住み始めてから、喫茶店には陸を何度か連れて行ったくらいで

女友達をおばさんに合わせるのは初めてだった。




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