可愛いわたしの幼なじみ〜再会した彼は、見た目に反して一途で甘い〜

プロローグ

実里モノローグ
私には大好きだった幼馴染みがいる。
小学生低学年の頃、学校帰りに毎日一緒に遊んだ「いっくん」。
本名は確か、「本谷一樹」くん。
いっくん、いっくんって、
今考えると恥ずかしいくらい大好きだった可愛い可愛い男の子。
通う学校は違ったけど、同い年で、偶然出会って一緒に遊ぶようになってから
一番の仲良しになった。

*回想 実里と一樹が小学2年生のころ
○小さな公園の一角、木々が生い茂った森のような場所(夕方、まだ明るい時間帯)

しゃがみ込んでいる実里と一樹。
二人がいるところは木々に囲まれながらも空は開け太陽が二人を照らしている

幼い実里:今よりも髪が長く、ツインテール、ワンピースを着ている。よく笑う明朗快活な女の子
幼い一樹:身長は実里よりも小さい、目元がギリギリ見えるくらいもふもふとした髪。
右目の斜め下にホクロがあるのがわかる。おとなしい、たまに笑うとふわっと天使みたいな顔になる。

幼い実里「いっくん、かわいい!」
実里は草花でつくった得意の花冠を一樹の頭の上にふわっとのせた。
幼い一樹「・・・ほんと?」
幼い実里「うん!」
    「私がお城に住んでる王子様で、隣の王国に住んでるお姫様がいっくんね。
     それでふたりは家族に内緒でお馬にのってでかけるの」
幼い一樹「うん」
幼い実里「場所はどこにする?いっくんが決めていいよ!」
幼い一樹「えっと・・・。ぼく、みーちゃんとお祭りに行きたいな」
幼い実里「お祭りかぁ!
    じゃあ、そのお祭りには見たことないおいしいものがたくさんあることにしよっ!
    サーカスも来ててね・・・」

*回想終わり

実里モノローグ
よくおままごとして遊んだっけ。
いっくんがお姫様って、今思えば逆だな・・・。
だっていっくんふわふわしてて、本当に可愛かったんだもん。
って私はお姫様なんてキャラじゃないけど!
むしろ華やかで美しいお姫様となんて相まみえることも
叶わない下の下の使用人ってところかな。
今の私はあの頃とは全然違う、何の取り柄もないしがない高校生・・・。

自虐的にかすかに笑みを浮かべる実里。

実里(みーちゃんみーちゃんってどこ行くにも後ろをついてきてくれた可愛い男の子。
   ずっと一緒にいたのにあるときから急に会わなくなっちゃったんだよね・・・。
   まぁ私のせいなんだけど。いっくん怒ってるかな、
   それとも私のことなんて忘れちゃってるかな)

*回想 実里と一樹が小学2年生のころ
○小さな公園(夕方、まだ明るい時間帯)
幼い一樹「みーちゃん、大好き」
幼い実里「わたしも!いっくんのこと大好き!」
幼い一樹「同じ小学校だったらよかったのにね」
さみしそうに笑う一樹。

*回想終わり

美里(今頃どうしてるかな、いっくん)
  (どこかで元気でいてくれたらいいな・・・)
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