君と見上げる夢花火

華も恥じらうセブンティーン。17歳。


そして彼と出会って早17年。いわゆる幼なじみだ。


と言っても、実際に関わっていたのは12年だが。


腐れ縁の彼に恋をしたのは5年前。


夏祭りに一緒に行ったあの日、花火を見た。


でも、確か花火が始まる前にちゃんとお話することは出来なかった。
夢を見たからだ。彼から告白される。


花火が始まる前に言われた言葉、「好きです。付き合ってください」


そう言われて目が覚めた。心臓がバクバクしていて、顔を触れば火傷をしそうな程熱い。


それから彼と夏祭りに行っても話が全く続かなくって。


思い出しただけで顔から火が出そうだ。


彼が私に恋情を抱いているはずないのに


それは数日経てば治ると思っていたが、全然そんな気配はない。
むしろ悪化した気がする。


そんな私は彼に話しかけることができなかった。

彼も不自然な態度を取ることしか出来ない私に対して話しかけなくなった。
当たり前だけれど。


卒業式の日に言おうと思ったんだ。


「好きです。付き合ってください」 と。


でも無理だった。



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