お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
第五章 さあ、反撃を始めましょう
そろそろ、限界ではないだろうか。嫁いでから三年が過ぎた。

 オリヴィアは十八――だが、グレゴールとの関係は、三年前から一歩も進んでいない。

(いえ、後退していると言った方がいいかもしれないわね)

 ヴェロニカと別れたあとも、グレゴールはまったく変わらなかった。彼の隣には常に違う女性が寄り添っている。

 彼女達は、「愛されていないオリヴィア」を馬鹿にしたような目を向けてくるのだが、この国を支えているのが誰なのか、想像すらしていないようだ。

 この三年の間、オリヴィアは陰から国を支えてきた。ダンメルス侯爵と連絡を取り合い、グレゴールが見向きもしない政務に取り組んできた。

 その間も、グレゴールは愛人達と遊び回っていて、政務には見向きもしない。

(今の愛人で六人目、だったかしら)

 どうやらグレゴールは年上の女性が好みのようだ。最初の恋人で会ったヴェロニカが十近く年上だったというのもあってか、彼が選ぶのは常に年上の女性だった。

 となれば、彼と同年代のオリヴィアは、彼にとっては子どもっぽいのかもしれない。年齢の割には落ち着いていると言われているのだが。

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