お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 シェルトは、半分以上性善説でできているようだ。グレゴールの改心を願うシェルトとは対照的に、オリヴィアとルーカスは渋い顔である。グレゴールが悔い改めることはなさそうな気がする。

「グレゴールはどうしているんだ?」

「牢屋に入ってもらいました――ええと、離宮を牢屋として改造したんですけど」

 自分が比較的高待遇だったからか、シェルトはグレゴールを過酷な環境に置く気にはなれない様子だった。

 もうひとつの離宮を牢として使うことになっている。グレゴールが使用するのは、そのうちの最上階。監視付きなら、屋上に出られるそうだ。

 日の光に充てなければ健康を害することになるから、大切に扱うつもりはあるということだ。きっと、グレゴールは不満だらけだろうけれど。

「神殿の改革もこれからだしな。忙しくなるぞ」

「頑張ります。ダンメルス侯爵もいるし……いつまでもいてくれるとは限りませんけど」

 ダンメルス侯爵は引き続き側近としてシェルトを支えるようだ。オリヴィアの弟とももう顔合わせはすんでいるが、なんとか協力していくことはできそうだ。

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