くちづけ 〜You look good wearing my future〜
「唯は金属アレルギーみたいだから、イヤリングはつけてもすぐに外すからね」

倫也がキッパリと言い、制作チームも、勿論と答える。

こんな風にさりげなく庇ってもくれる倫也が、なんだか私よりずっと大人に見えて、嬉しいのに切ない。

色々な想いで、胸がいっぱいになる。

「じゃあ、少女は泣きながら歩いて、追いかけてきた少年と…まぁ、そういうわけだから、よろしくね!」

私は、例のクール度の強い目薬を点すと、一人で暗い舗道を歩き出した。

幼い頃からの、倫也と過ごした日々。

そして、最近やたら大人に見えたり、読めない言動をするようになった倫也。

週末には、私も18になる。

嫌でも大人にならなければいけないこともまた、何となく切ない。
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