くちづけ 〜You look good wearing my future〜
いつか倫也が言っていた。
「正直、本当にやりたいことがイマイチ見えてこないから、取り敢えず勉強はそれなりに真面目にやってるんだ。なんか…つまんない男だよね」
そういう本音を、私にだけこっそり打ち明けてくれることが、とても嬉しかったし、実は私だって同じだ。
「そんなことない。私だって同じだよ。ドラムは楽しいけど、だからって正式に軽音楽部の部員になる気もなければ、ましてやプロのドラマーになりたいなんて全く思ってない。好きなことを仕事にするのって、何となく怖いし」
私もまた、倫也には真面目な話を打ち明けられる。
何だって話せる唯一の相手だ。
それなのに、何故か恋心だけは必死で隠そうとしてしまう。
恥ずかしいことではないと、頭では判るのに。
似た者同士だから、居心地がよくて、ずっと一緒に居たいと思う。
逆に、似た者同士だからこそ、倫也には、私より先に大人になって欲しくない、などという我儘な思いもある。
柄にもなくセンチメンタルになるのは、秋のせいだろうか。
「正直、本当にやりたいことがイマイチ見えてこないから、取り敢えず勉強はそれなりに真面目にやってるんだ。なんか…つまんない男だよね」
そういう本音を、私にだけこっそり打ち明けてくれることが、とても嬉しかったし、実は私だって同じだ。
「そんなことない。私だって同じだよ。ドラムは楽しいけど、だからって正式に軽音楽部の部員になる気もなければ、ましてやプロのドラマーになりたいなんて全く思ってない。好きなことを仕事にするのって、何となく怖いし」
私もまた、倫也には真面目な話を打ち明けられる。
何だって話せる唯一の相手だ。
それなのに、何故か恋心だけは必死で隠そうとしてしまう。
恥ずかしいことではないと、頭では判るのに。
似た者同士だから、居心地がよくて、ずっと一緒に居たいと思う。
逆に、似た者同士だからこそ、倫也には、私より先に大人になって欲しくない、などという我儘な思いもある。
柄にもなくセンチメンタルになるのは、秋のせいだろうか。