龍騎士殿下の恋人役〜その甘さ、本当に必要ですか?
翌朝、ヴァイスさん、あたし、キルシェちゃん、リリアナさん、マリナさん、カリンさんが揃った食堂の朝食の席でヴァイスさんから驚く報告がなされた。
「え、今からバイキング討伐…ですか?」
「はい。近頃、バイキングの活動が活発化してることはご存知でしたよね?」
「はい…」
4月に竜騎士団による大規模なバイキングの討伐があり、その被害は減ったはすだった。
なのに、5月の末辺りからふたたび出没するようになった。
当初はさほど頻度も高くなく、あっても週に一度…被害に遭うのは船一隻のみ。だから沿岸のパトロールを強化し警備の騎士団や竜騎士団の駐屯地も増やしたのだけど…6月に入ってバイキングの襲撃が活発化。今では交易船や客船問わず襲われているらしい。
そして、遂に上陸したバイキングは北部沿岸で比較的大きな街であるホールドウォール一帯を襲撃したいという。
「母上である女王陛下の勅命です。この朝食が済んだらすぐに発ちます」
「……わたくしのお父様も出撃ですか?」
リリアナさんが不安を隠そうともせず、ヴァイスさんに訊ねた。そりゃあそうだ。前回の討伐でも2割ほどの負傷者が出たし、今は騎竜も竜騎士も数が減っている。前より不利で苦戦するだろう。
「クロップス卿は自ら討伐に志願されました。私の騎竜のシルヴィアやイッツアーリとともに、まもなくお越しになりますよ」
ヴァイスさんが話してまもなく、巨大な羽音が窓の外から聴こえる。バルコニー越しに見上げれば、屋根や尖塔の上にシルヴィアやイッツアーリの姿があった。