龍騎士殿下の恋人役〜その甘さ、本当に必要ですか?
戦い…そして

他の竜騎士やドラゴンは沖にある海賊船を相手にしていて、なかなか余裕はなさそうだ。騎士たちも白兵戦で手一杯。なら、あたしにできることは。

「バーミリオン、次!」
《ハイよ!》

白髪のおばあちゃんが荷物を奪われた瞬間、手を狙い打つ。荷物を落としてすぐに足を射って足止め。
おばあちゃんはなんとか荷物を持って逃げられよかった。

《アリシア、連中まだ小舟で上陸してくるぜ!きりがねえ》
「じゃあ…燃やそう!」
《あいよ!》

バーミリオンとともに高度をギリギリのラインまで下げる。奴らは大砲すら持っているけど、それは海賊船でないと使えない。小舟ならば武器は限られる。

「バーミリオン、今!」
《おう!》

あたしの合図で、バーミリオンが特大のファイアブレスを吐く。高温の炎はたちまち小舟を燃やし、一気に燃え上がらせた。
すると、バイキングたちは次々と海に飛び込む。

十近くあった小舟は、バーミリオンのファイアブレスであっという間に燃え尽きた。

それでも泳いで上陸しようとする連中には、ショートボウの洗礼を浴びせる。
水中だと、陸上より早く動けない。

一体何隻の海賊船があるんだろう。

「アリシア!」

夢中でバイキングの上陸を阻止していると、ヴァイスさんがシルヴィアとともに飛んできた。

< 241 / 267 >

この作品をシェア

pagetop