再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む
私にとって蒼斗と優太くんが上手く打ち解けられるかも一つの悩みだったから、懐いてくれて嬉しい。


「ほら、保育園行かなきゃだから、ご飯食べて元気出そう」


焼いたばかりの目玉焼きに、おにぎり。
付け合わせにブロッコリーとミニトマトを添えて、椅子に座る蒼斗の前に差し出した。

私は、残ったご飯でお茶漬けを作り、ササっと済ます。
食べ終えるとちょうど洗濯機が終わり、食事をしている蒼斗を見ながら洗濯物を干した。


「ママ、おにぎりおいしい」

「本当? よかった。残さず食べようね」


「うん!」と元気よく返事をした蒼斗の手は、ご飯粒まみれ。
一心不乱に食べてくれることは嬉しい。でも、この後始末がとても大変。

それでもそんな姿も愛おしくて、この子が傍にいてくれてよかったと思えている。


「ママー、ごちそうさまでした」

「お、全部食べたね。偉いぞ」


と、褒めつつ蒼斗をゆっくりと洗面所へと促す。
食べ終えたと同時に手を洗ってもらわないと、床にご飯粒を落とされてはたまらない。

以前、床に落ちていたご飯粒を靴下を履いたまま踏んでしまって、潰れた状態でカピカピに固まったまま靴下に張り付いているのを見たときは泣きそうになった。

それ以降、蒼斗が手を洗ってから、次の家事を進めるようにしている。
< 113 / 170 >

この作品をシェア

pagetop