再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む
明日は土曜日で診察は午前中のみ。
その後、食事に……ってこと?


「えっと……私、ですか?」

「うん。ずっと誘おうと思ってたんだけど、なかなか忙しくて」


なんで私? なにか相談事でもあるのかな?


「いいですけど……。そんなに遅くまでは付き合えませんよ?」

「子どもだよね? 大丈夫、ランチだけだから」


どうやら、蒼斗の存在は知っている様子。
でも、もしも大事な相談とかだったらゆっくり話せないだろうし……。

数時間だけなら、安達さんにお願いしようかな?


「わかりました。また、場所とか教えてください」

「うん。連絡先、交換してもいい?」

「あ、はい。大丈夫ですよ」


慌てて受付に置いてあるメモ帳に自分のスマホ番号を記入して、優太先生に手渡した。
「ありがとう」と言いながら、メモを丁寧にスクラブのポケットにしまう。


「じゃあ、休憩入ります」

「あ、時間取らせてごめん。またあとで」


ペコリと軽い会釈をしてから、クリニックを出た私。

明日の午後、蒼斗は安達さんに見ててもらおう。
今までからもお互いに子どもを預け合ったこともあるし、2時間くらいなら大丈夫かな。

そんなことを考えながらアパートに帰宅して、あらかじめ準備しておいた昼食を冷蔵庫から取り出して電子レンジで温めた。
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