山寺兄弟の深すぎる愛
手を繋ぎ、ゆっくり歩く。

「フウちゃん、クウちゃん。
一緒に寝ることになったら、益々煙草吸えなくなるんじゃない?」

「大丈夫だ!問題ねぇよ」
「心配してくれてありがとう!」

「あ…そ、そう…」

「「どうしても吸いたかったら、祭理が寝てから吸えばいいし」」

「あ、あぁ…」
(そうきたか……)


「そんなことより。
祭理、何食べたい?」

「え?えーと…
…………特に思い浮かばない…」
虎空の言葉に、斜め上を向いて考える。

「ラーメンでも食う?」
「うん」
「祭理がいいなら、僕も何処でもいいよ」

ちょうど昼時で、人が多い。
名前を書いて、外で待つ。

風龍と虎空のスマホが、同時にピコンと鳴る。
しかし、二人は見向きもしない。

「今、携帯鳴ったよ?
メッセージじゃない?」

「わかってる」
「でも、今は祭理といるから」

「でも、急ぎの用かもよ?」

「「後から確認する」」
しかし、再度着信音が鳴る。

「また鳴ったよ?
ほら!私、cmakoさんのSNS見てるし。ね?」
ショルダーから、スマホを取り出し操作する祭理。

しかたなく、二人はスマホを確認した。

清輔(きよすけ)”という人物からの、グループメッセージが入っていた。

【風空、引っ越したの?
何処いんの?】
風龍と虎空は、顔を見合せため息をついた。

龍【引っ越した】

清【なんで?何処に引っ越したの?教えて?】

虎【嫌】

清【いいじゃん!
あとさ!久しぶりにみんなで会お?で!BBQしよ?】

龍【嫌】

虎【嫌だ】

清【祭理ちゃんに聞いてよ!
きっと、行きたいって言ってくれるはず!】

ここで既読無視をし、スマホ画面を切った。

「終わった?」
そんな二人に、祭理が声をかけてくる。

「「うん」」

「もうすぐじゃないかな?
前の人達が、中に入ったから」
すると、席があいたようで風龍達は中に入った。

三人全く同じメニューを注文し食べて、店を出る。


するとそこに、清輔が立っていた。

「既読無視すんなよー」

「清くん?」
「祭理ちゃん、久しぶり~」

「お前、なんで!?」

「俺の情報網をナメるなよ?」

「そうじゃなくて!なんで、来るの!?」


「なんでって、遊びたかったから!
ね?
GW、遊ぼ?」
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