小さなVoyageur
観光スポットがないことも思い出し、結局、持ってきた文庫本をずっと読んでいただけ。

毎年、当たり前と思っていた“お誕生日おめでとう”が、誰からも聞けない。

何だか…やはり淋しい。

皆が自分を完全に忘れてしまったような気がする。

私が居なくても、皆にはそれぞれの生活がある。

涙が頬を伝い、やはり私はどうしようもなく子供だと改めて知った。

元気に出てきたくせに、早く帰りたい。

私は、やはり一人ではダメな人間みたいだ…情けない。
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