11回目の復讐~呪いの婚姻を受けた私と王太子は、同じ命で繋がっている~
 ヴィオラとリーベルトはお互いの目を見て頷くと、まずはリーベルトから口をつける。
 そうして彼女に受け渡すと、そのままヴィオラも残りの聖水を飲み干した。


「これで、夫婦だね」
「はい、不束者ではございますが、よろしくお願いいたします」

 そう言って頭を下げた瞬間に異変が起こった。
 ヴィオラが頭を下げて礼をしたその床に、リーベルトが転がりもだえ苦しんで倒れている。

「──っ!!! リーベルト……さん……ぐっ!!」

 彼の名を呼んで近寄ろうとした瞬間に、彼女にも異変が起こった。
 視界が揺らぎ、なんだか眩暈と気持ち悪さが同時にやってくるよう。
 ひどい頭痛と吐き気に襲われ、彼女は耐えられなくなってその場に倒れた──

「リーベルト……さ、ま……」

 なんとか彼女は這って愛しい彼のもとにたどり着くが、すでに彼は息をしていなかった。
 次第に焼けるようなのどの痛み、呼吸の苦しさが彼女を襲い自然に涙が出て来る。

 その時、視界が揺らぐ中で王妃の姿が瞳に映しだされた。
 周りが激しく混乱する中、彼女だけは様子が違った。

 ああ、この人が聖水に毒を盛ったのだ──

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