脱・悪役令嬢物語！！

夢から覚めれば

おは…どこだここ

　窓から差し込む眩しい朝日で目を覚まし、大きく伸びをする。

「それにしても、随分懐かしい夢を見たな〜！」

　今朝見た夢は、少し前に親友と乙女ゲームの悪役令嬢に語っていたときの会話だ。

　彼女とは仕事が忙しいせいで最近なかなか会えていないので、また会いたいと思った。

「さー今日も仕事仕事っと…あれ？」

　そこで、周りの景色が自分の部屋と異なることに気づく。

「すっご…」

　私が寝ていた部屋は、豪華で、女子が好みそうなピンク系で統一された可愛い部屋だった。そして、ベッドは誰もが憧れそうな、天幕付きの広いもの。

「え、どうして？っまさか、昨日酔い潰れて誰かに！？」

　私は今年30歳になったので、もうとっくにお酒は飲める年だ。
　
　昨日の飲み会でやらかした…？と思い自分の体を見てみる。

「良かった、服は着て…いやいや待て待て、もしかして縮んでる！？しかもこの服、知らない…」

　ひとまず誰かに…ということはなさそうだが、それよりも重大なことに気づいてしまった。

「これってまさか…異世界転生？」