初恋は苦い思い出。でも出会うべく人と出会いました
「なんで僕が……オフィーリア。今日のオフィーリアはとても可愛いぞ! さすがフローリアだ、オフィーリアに似合うドレスを分かっているな!」
「そうでしょう! もっと褒めてもいいのよ。お直しも含めて最後まで仕事をしたわ!」

 フローリア様とルシアン様が盛り上がっていた。ジルベルト様は……と思いジルベルト様の前に立つ。
「ジルベルト様? どうですか?」

 くるっと一周して見せた。

「……オフィーリア。凄く可愛い。本当に可愛いよ」

 あ、ジルベルト様の顔が赤くなって……その姿を見たら私も恥ずかしくなって下を見た。

「ジルベルト様の手に持っている物は?」

 ブーケ? ではなさそうだけどお花?

「あぁ。そうだ、仕上げないと……」

 白い薔薇の花冠だった。良い香り……

「うん。よく似合っている」

 頬に軽くキスをされた。ニヤニヤ笑うフローリア様とルシアン様は放っておいた。鏡を用意してあったので全体を見る。

「ジルベルト様が作ってくれたの?」
「うん。今日はオフィーリアがパレードの主役だよ。領民に紹介する良い機会だから」
「良いの? パレードは皆の憧れなんでしょう? まだ領民でもないのに」

「みんなオフィーリアを歓迎したいんだって。領民から是非! と言われたんだ。皆会いたがっているよ。僕も隣にいるから……行こうか」

 馬車に乗せられパレード会場に。すると結婚式さながらのフラワーシャワーで歓迎された。

 

「なんて美しい光景なんでしょう……」

 領民が笑顔で出迎えてくれて隣にはジルベルト様がいて、家族や友人が見守っていてくれる。

「一生忘れないよ……うれじぃよぉ」
「……オフィーリア、ほら鼻噛んで……皆オフィーリアの笑っている顔が見たいんだと思うよ……」

 くすくす、わっはっは……という笑い声が聞こえた。

「だっでぇ……」
「このまま結婚式も出来そうなくらいの感極まり方だね」

 というとジルベルト様がちゅっと唇にキスをしてきた!

「きゃぁぁっ。み、皆が見てるのに」
「あ、涙が止まったね」

「あ、本当だ」

 というともう一度キスをしてきた。

「みんな見てるからっ!」
「見てないところなら良いの? 見られているからコレくらいで済んでいるんだよ?」

 コレくらい……と言われて顔がかぁぁぁっーっと赤くなる。

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