Labyrinth~愛に迷う~

ゼリーのように冷えて固まる息苦しさ

 いつものように独りよがりなセックスを終えると悟はベッドの反対側にいってすぐに寝息を立てはじめた。

 私はちっとも眠くなかった。ことが終わったばかりなのに私は冷え切っていた。身体も気持ちも。

 悟だってわかっているはず。私がいってはいないこと。でもきっとそれは関係ないんだ。悟にとっての行為は自分が終わるか終わらないかだけの問題。

 私はごみ箱の脇に落ちていた下着を拾ってつけた。上半身は脱いでさえいない。

 目線の先には使ったばかりのコンドームがティッシュに包まれて捨てられていた。何だかやりきれない気持ちが込み上げてきた。

「ねえ・・・」

 何を話しかけようとしているのか、自分でもよく分からなかった。セックスのあとくらい、少しくらい甘えたかった。

「何だよ、寝かせてくれよ。疲れてんだけど。」

 悟からはそんな不機嫌な返事が返ってきた。

「ごめん、なんでもない。おやすみ。」

 もう何も言わないようにしよう。今に始まったことじゃない・・・

 でもこの日はなぜかとても泣きたかった。

 もう悟には何も望まない。
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