Good day ! 3
第十七章 妻として、母として
「恵真。天気もいいし、少しベビーカーで散歩しない?」

今日も大和はオフ。
12月にしてはポカポカと温かい陽気で、なかなか寝ない双子を見て、大和が提案する。

「いいですね。二人とも、外の空気に触れさせてあげたいし」
「じゃあ、授乳終わったら行こうか」
「はい」

暖かい服を着せ、ベビーカーに乗せてからブランケットをかける。

二人とも、外に出た途端に眩しそうに目を細め、手をパタパタさせた。

「お外は気持ちいいねー」

双子に声をかけながら、のんびりと近所を歩く。

「恵真。ここで待ってるから、好きな物買っておいで」

カフェの前で、大和が立ち止まる。

「あ、はい。じゃあすぐ戻ります」

恵真は店内のカウンターに行くと、ディカフェのモカと、オリジナルブレンドをテイクアウトした。

「はい、大和さん」
「お、ありがとう」

温かい飲み物を片手にまた歩き始めると、ポツポツと並ぶショップは、どこもきれいにクリスマスの飾り付けがされていた。

近くの公園のベンチに座って、ドリンクを飲む。

「はあー、なんかいいな。こんなふうに時間をのんびり使うのって」
「そうですね。のどかでゆったりしてて、なんだかおばあちゃんになった気分」
「おいおい、勘弁してくれよ」

ふふっと恵真は笑う。

「そうですよね。これから双子が大きくなったら、一緒にブランコに乗ったり、滑り台滑ったりしないといけませんよね」
「ああ、そうだよ。俺達、子ども時代をもう一度やり直す感じだな」
「確かに。体力つけておかないと!」

恵真は張り切ってガッツポーズをする。

「楽しみだな。この子達の成長」
「ええ」

二人で双子の顔を覗き込む。

元気いっぱいに手足を動かす双子に、大和と恵真は顔を見合わせて微笑んだ。
< 137 / 182 >

この作品をシェア

pagetop