Good day ! 3
スヤスヤと眠る恵真をうしろから抱きしめて、大和は恵真のお腹に手を当てる。

本当はこちらを向いて寝て欲しいが、赤ちゃんの位置で寝やすい向きがあるのだろう。

仕方なく大和は我慢して、イルカのぬいぐるみを抱いている恵真のお腹をなでる。

すると、ポコッとお腹が動いた。

(お、いつものわんぱくちゃんの方だな。元気なのはいいけど、ママを寝かせてあげてくれよ)

踵でグーッと恵真のお腹を押す赤ちゃんに、大和が優しくトントンとすると、赤ちゃんは大人しくなった。

(いい子だな。よしよし)

大和はまた恵真のお腹をなでる。

と、ふいに恵真が、ん…と身じろぎして、大和の方に寝返りを打った。

(わあ、やった!)

恵真のあどけない寝顔を見て、大和は嬉しくなる。

額にそっとキスをすると、恵真は頬を緩めて大和の胸元に顔を寄せてきた。

幸せで胸がいっぱいになりながら、大和は恵真の髪を何度もなでる。

(へへーん、今日はイルカちゃんに勝ったぞ!)

恵真をぐっと抱きしめたいが、大きなお腹を圧迫してはいけない。

大和は優しく恵真を抱きしめた。

(二人きりでこうやって静かに眠れるのも、あと少しか…。赤ちゃん達が産まれたら、きっと大変な毎日になるんだろうな)

それでも…。
いつか子ども達が大きくなって巣立っても、自分はいつまでも恵真と一緒だ。

そう思うと、大和はより一層恵真を愛おしく感じる。

(恵真がいてくれる限り、俺はこの先もずっと幸せだ。二人で可愛い赤ちゃん達を、大切に育てていこう)

大和はもう一度、そっと恵真の頬に口づけた。
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