忘れられない夏がすぐそこに。

遠く離れて




光希くんが東京に帰ってから2ヶ月が経って、季節はすっかり秋。


飛行機で1時間半と、車で3時間。距離はだいぶ離れてしまったけど、変わらず毎日連絡をとっている。


メッセージアプリでのやり取りはもちろん、電話やビデオ通話も。


会えないけど、毎日『会いたい』とか『好き』って言葉を伝えてくれて、今はそれで十分幸せだった。


『地元の奴らとボーリング行ってくる』

『カラオケ行ってくる』

『遊びに行ってくる』


光希くんには友達がたくさんいることも知った。


たまに写真を送ってくれて、男女数人でいつもよく遊んでいる。


毎回違う人だったり、同じ人だったり。


光希くんの写真に写る人たちはみんなキラキラして見えた。


都会の人だなぁって。最初からわかってはいたことだけど、日に日に自分に自信が無くなっていくのを感じていた。




そんなある日、


土曜日の夜だから今日は遅くまで電話できるなぁなんて思いながら光希くんからの連絡を待っていると、電話がかかったきた。


「もしもしっ」


いつもより声が弾む。


「あーもしもしぃ?あなたが実里さん?」


知らない女の子の声だった。

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