海底に沈む世界を救う為に異種間恋愛します
海歴130年前

「やーい!!魔法が使えないクセになんで学校にくるんだよ」
「ッ……」
「母ちゃんが言ってたぞ!!古代種族は魔法が使えないって」
「鰭も多いし気持ち悪いんだよ!!」

数人の鰭を持つ少年達が、1人の少年を囲い虐めていた。

「お前らぁぁぁ!やめろぉぉぉ!」

虐めてた少年達の背後から、怒りながら走ってくる少年の姿が現れた

「げっ、エンヴィーだ!!」
「お前ら、またセラを虐めて!!」

エンヴィーは怒り任せに、虐めてた少年達を返り討ちした。

「覚えとけ!!」
「お前達こそ、今度セラを虐めたらしばくからな!!」

エンヴィーは起き上がろうとするセラに手を貸した。

「アイツら、現代種族の奴らは俺達古代種族が居なかったら生まれなかったクセに…たくっ…大丈夫かよ」
「……うん」
「ちっとはやり返せよ」
「無意味な争いはしたくない」
「お前らしいな」

少年達がいる世界は陸の世界とは違い、海の世界。
畑に魚が泳いだり、大きい生き物が生息してもおかしくない世界。
そんな世界にある小さな畑道を2人は歩いてる。
互いに違う種族だが、2人は他愛もない会話で弾む。
そんな懐かしい少年2人の幼い日々は、悲しくも運命によって壊されてしまった。

その日はセラの村は肌で嫌な感じが、読み取れるほど慌ただしくなっていた。
セラの屋敷では部下達がざわめきながら、戦う準備をしていた。
何か悪い事が起きることを、幼いセラでさえも読み取れた。

何が起きるのかセラは知りたくて、部下達の会話を盗み聞きをした。

「おい、聞いたか!神兵の奴らがラブカ族を壊滅させたらしい」
「……!?」

部下の口から、信じられない言葉が出てきて、セラは不安な感情に任せて、部下達につかかってきた。

「……嘘だ…嘘だ!!」
「セラ様!?」
「エンヴィーは!?エンヴィーはどうなったの!!」
「セラそいつらから手を離せ」

父親の気迫に我に返り、素直に部下から手を離した。
一族の長で、セラよりも力がある父親に、セラは泣きながらもお願いしはじめた。

「父上…父上!!今から助けに…」
「駄目だ」
「え……」

父親の口から出た言葉は絶望に落ちる一言だった。

「…なら僕一人でも行く!!」
「「!?」」

セラは怒りからその表情は殺意に溢れた表情で、無意識のうちに呪力を全開にし、目の前にいる父親に拳を放った。

「はああああ!!」
「……」

ドゴォン!!

セラの父親は、セラの拳を上手く避けて素早く地面に叩き倒した。

「!?」
「セラ、これ以上俺を怒らせるな」
「離せ!!エンヴィーを、友達を助けに」

トス

「っ……!?」

セラは何が起きたのか分からず、父親の手刀により意識が遠のいていった。

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