海底に沈む世界を救う為に異種間恋愛します

女は拳

この海には様々な人間がいる。
毒を体内に蓄積し己を食した者を殺す者、身体から毒を出し獲物を捉えたりする者、体の一部を武器にし身体を硬くし身を護る者と様々だ。
しかし、そんな能力がある中で己の拳一筋だけで全てを成し遂げた一族がある。

モンハナシャコ

シャコ族の中でも1番脅威的なモンハナ族。
身体は小さいが、格闘に特化しており、得意とされる拳技は、鍛えれば子どもでも出すスピードが80km以上で大人ならば、100km以上に750トン以上の威力をだす。
それは、軽く船を飛ばせる威力だとも言われている。
だから、拳技があまりにも速く重たい為、毒を出すものや牙を向ける者は、攻撃する前に瞬殺される。

そして、そんなモンハナ族の中でも最も大きく最も強い戦士が現れた。

シャクナゲ・クラフト

メスながらも好戦的だが、モンハナ族特有の見た目が美しく色鮮やかな為か、シャクナゲの美人さが更に引き立てられ、一部のオスには人気な戦士。
数少ない女戦士がなぜここまで強くなったのか、それは一族しか知らない。

「じい様!!」
「おぉ!シャクナゲ」
「じい様!みてみて!今日は大きなマグロを仕留めたよ!」
「立派なマグロだ、この大きさなら村の皆の分はある」
「じゃ、じゃあ!今日は皆で宴!?」
「そうだな。シャクナゲ、村の皆にこの事を伝えてくれないか?」
「分かった!」

シャクナゲはモンハナ族の長の孫娘だった。
シャクナゲの両親は、先の魔界戦争により戦士として亡くなり、祖父であるシャクナギの元で育った。
天真爛漫で、村の者からも好かれていた可愛らしく、村の事はやな言葉一言も言わず、自分から取り組むという心優しい娘だった。
そんなある日の事だった、村に1人の男が現れた。
身体は大きく強靭で、背中にイルカやサメが持つ特徴的な背鰭、サメ特徴な背鰭。
そして、その男はオーシャンなら知る人は知る罪人。

「メガロドン!?、なぜ貴様の様な男がここにいる!」
「久しぶりだな、シャクナギ。まさか村の長になるとはな」
「……お前こそ、なぜここに来た」
「……鍵を貰いにきた」
「!?」
「お前が、大人しく渡せば村には手は出さない」
「……あの鍵は絶対渡せないぞ!」
「そうかならば、死ね」

ドォォォォォン!!

「!?……今のは」
「どうしたんだシャクナゲ?」
「今の凄まじい音、長家から聞こえ……じい様!」
「おい!シャクナゲ!」

シャクナゲは鍬を投げ捨て、直ぐに長家に向かった。
 
「嫌な予感がする……じい様!じい……っ!?」

シャクナゲが長家に着く頃には、長家は破壊されていた。

「じい様!どこ!!じい様!」
「……っ、シャクナゲ……」
「じい様!」

瓦礫の下になっているシャクナギを見つけ、シャクナゲは直ぐに駆け寄り、瓦礫をどかしてシャクナギを助け出した。

「じい様、これは一体……」
「ちょっとばかし、しくじっただけだ」
「だけど!」
「シャクナゲ」
「!?」

シャクナギはシャクナゲの手を力強く握った。

「シャクナゲ、ワシはそんなに長くはない。孫娘にはせめて、メスとして幸せに生きて欲しいと願った。だが、やはりモンハナ族の運命か、戦う一族は戦いから逃れる事はできない。シャクナゲよ、今日からお前が長として、戦士として一族を導きモンハナ族を……」
「じい様!じい様!そんな!じい様!」

 シャクナゲの腕の中で、シャクナギは息を引き取った。

「あ、あ……ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」

シャクナゲは悲しみと怒りから、拳に力を込めてその場にあった瓦礫を拳で吹飛ばした。
幼がらも、シャクナゲの拳は凄まじく近くの山を破壊する程だ。
それもそうだ、シャクナゲにとってシャクナギは唯一の家族だった。
家族を失う悲しみを再びシャクナゲは味わい、そしてシャクナギの意志を受け継ぎ、女長として一族を導き、己の拳一筋を鍛え上げ、そして今シャクナゲが戦士として一族の誇りを掛けて、闘技場に立ち闘うことになった
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