怪盗ベルにおまかせ!
「だれかに気づかれる前に、もとの位置にトロフィーを戻さないと…!」


でも…、一体どうしたら……。


わたしが慌てていると、妙な視線を感じた。

目を向けると、ニヤリと微笑む芹那ちゃんと目が合った。


「こういうときこそ、怪盗ベルの出番でしょ!」


わたしは芹那ちゃんに物陰へと連れ込まれた。


3分後。

わたしは、体操服から着替えてコスチュームに身を包んでいた。


コスチュームも念のために持ち歩いていた。

それは、ズボンの左ポケットに入れていた。


そんなものまでもポケットに!?とでも言いたそうに、芹那ちゃんはびっくりしていた。

でも、わたしだって芹那ちゃんには驚かされた。


なぜなら、怪盗ベルになるためのメイク道具などを持ち歩いていたから。


「鈴ちゃんと同じだよ。あたしも“念のため”ってやつね♪」
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