小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

 帰り際に急患が出たが、他の先生が引き受けてくれた。

「原田先生、限界なんでしょ?様子が変だもんな。今日はやりますよ。ただし、これ以上ひどくならないように今日は休んで下さいね」

「ありがとう」

 俺はそういうと、急いであがった。俺の日頃の行いが良かったんだな。自分で自分を褒めてやりたい。美鈴のせいでメンタルがぼろぼろだったが、多少浮上した。

 急いでマンションへ帰った。扉を開けると彼女が立っていた。俺は靴を脱ぐのも忘れて美鈴に抱きついた。彼女は支えきれなくて後ろにひっくり返ってしまった。

「ごめん。大丈夫か?」

 身体を起こした美鈴は俺を見て、目を丸くしている。

「……先生。こんなに憔悴しているとは思っていなかった。心配かけてごめんなさい」

 また抱きついた俺に、頭を撫でてくれた。
< 136 / 226 >

この作品をシェア

pagetop