小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

「それを言うなら俺もそうだな。子供達に向ける優しい笑顔と言葉がその瞬間だけ彼らの恐れを忘れさせている。子供達は常に不安で将来に怯えている。君がいるときだけはそれを忘れて、それぞれが、親や先生から離れて楽しんでいるのをいつも見て、すごいと思っていた」

「なんか……バカップルぽいですけど……お互い褒め合って……」

「いや、立派なバカップルだろ。真実をお互い隠して迷走していたバカップルだ」

「確かにそうですね、ふふふ」

「あはは」

「美鈴。何の心配もないだろ?」

「はい」

「そうだ、一度君のお母さんと弟さんのお墓参りに行かせてくれよ。お願いしないとな」

「何の?」

「それはその……一緒に暮らしているんだから、一応な」
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