会ったことのない元旦那様。「離縁する。新しい妻を連れて帰るまでに屋敷から出て行け」と言われましても、私達はすでに離縁済みですよ。それに、出て行くのはあなたの方です。
 クリスやユリシーズ、それからクレアやシンシアといったふだんのわたしを知る人は、驚いたに違いない。

 それでもよかった。

 今日だけは、ただのレディでいたいから。

 ほんとうに多くの人たちが集まってくれ、そして祝ってくれた。

 わたしの庇護者であり、ある意味保護者であるといっても過言ではないジョニーとローラのロングハースト夫妻、ロングハースト家の名料理人のキャリー、もちろんカニンガム公爵家のみんなを始め、多くの人が支え、協力してくれた祝宴は、三日三晩続いた。

 そうして、余韻を残しつつも無事に終わった。
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