会ったことのない元旦那様。「離縁する。新しい妻を連れて帰るまでに屋敷から出て行け」と言われましても、私達はすでに離縁済みですよ。それに、出て行くのはあなたの方です。
「バンッ!」

 予想よりもはるかに大きな音がしたものだから、自分で驚いてしまった。

「フゴゴゴッ!」

 その音に気がついたのか、バートが息を吸い込むような音を立てた。しばらく待っていると、彼の瞼がピクピク動き、ようやく瞼が開いた。

 彼の愛する人も同様に、伸びをすると瞼を開けた。

 クリスが言った通り、二人とも亡き義父母の衣類を身にまとっている。

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