汚いもの同士愛し合おう

最悪な出会い

「ねぇ、おじさん。」


「一緒に遊ばない?」

そう言って軽く微笑み、首を斜め15度傾ける。


完璧、心の中でそう呟いた。


「え、あ、あぁ。」

そう言って顔を赤く染めたおじさんを見てニヤついた。

男って簡単。少し話しかけるだけですぐに落ちるんだもん。

「ふふ、行こ?」

そう言っておじさんの手を引いた。



____________________________________


「ふぅ〜」


おじさんと別れて約1時間。


今日は特にすることもなく、街を適当に周っていた。


「へぇー、こんなとこにこれあるんだー、今度行こ。」


普段はじっくり見ることが少ないからゆっくり見て回る。


「ん?」


ずっと歩いているといつの間にか知らない地形に来ていた。


「ここどこ?」

そうだ、私極度の方向音痴だった.....

「どうしよう。」

「ねぇー、おねぇーさん遊ばない?」

あぁーあ、誰かナンパ男に話しかけられて可哀想。


「ねぇ、お姉さんってば」

ナンパ男のことシカトしてんの?勇気あるねー。


トントンッ

「え、?」

「なんでシカトすんのー?」


私に話しかけてたの?


「な、なんですか?」


今そういう気分じゃないんだけどなー。


「お、やっぱ可愛いー、一緒に遊ぼー。」


「ごめんなさい。友達と待ち合わせしててー。」

こういうのは慣れてるから。

適当にあしらって〜っと。


「えぇー、いいじゃん。別に」

.....


だっる。


「ねぇー、行こー。」


駄々こねる子供かよ。


どうしようか迷っている時。


「ねぇ〜、あの子絡まれてるよ〜。可哀想〜。」


なんて甘い声が聞こえてきた。


うるせぇ。黙っとけよ。ブスのぶりっ子が。


「ほんとじゃん。かわいそ。」


その声は男?

公共の場でイチャコラすんなクソが。


「悠真?なにしてんの〜?行こ」


「お姉さんどこ見てんの?行く用意できた?」


誰も行くとは言ってないし。


「悠真〜。」


この女は語尾にハート見えてるし。


どうしよ。


「え、ちょ、悠真?」

「ごめんなさい。友達と約束して「あ、待った?ごめん。」」


「え、?」

いきなり上から降ってきた声に驚いて上を向いた。


あの男?


上を見上げると今さっきまでぶりっ子女といた男が立っていた。


「あ?お前彼氏いんのかよ。」


「え、」


こいつ彼氏じゃないし。


こいつが彼氏とか死んでも嫌だし。


男に目で訴えるとあわせろとでも言いたげな目を向けられた。


「.....」


「あ、すいません。彼氏きたんで。」


「チッ、んだよ。」


そう捨て台詞のように言ってナンパ男は消えていった。


「.....」


気まずい。


でも、こういう人とは関わりたくないし。



「ありがとうございました。」

「じゃ、予定あるんで。」

そう言って私は男の方を見向きもせず歩いて行った。

パシッ

「待ってよ。」
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