君と夢に跳ぶ恋
「う、うん。先生にわからないところを聞いてたら結構時間経っちゃてて。」

春樹くんと話してたなんて言えない。

「そぉ〜?」

「でもね〜?」

まただ。お母さんが「でもね〜?」と言うのは私をコントロールするためのお説教が始まる合図。

今日は何を言われるんだろう。

今日はたくさん泣いてしまったせいか、嫌なことばかりで気分が下がっているせいか、あまり聞く気になれない。

「茉璃ちゃんは分からないところなんて作っちゃだめでしょう?いつでも何でも全部分かってるようにしなくちゃ〜。じゃないと望むような人生を手に入れられないわよ〜?試験本番じゃ誰も教えてくれないんだから〜。」

この場合、お母さんが言っている「望むような人生」とは、“あなたの”ではなく、“私の”、つまりお母さんが望むような人生のこと。
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